Black stool黒い便（タール便）が出た方
正常な便は、形がバナナに似ており、茶色から黄土色のものが滑らかに排便されます。 便の色がいつもと異なる時や便が軟らか過ぎる・硬過ぎる場合は、何かしらの問題が起きていることが考えられます。
その中でも、タール便と呼ばれるドロドロと黒色のコールタールのような便は放っておいてはいけません。
タール便が出た場合は、食道・胃・十二指腸などの上部消化器から血が出ている可能性が高いです。
Black stool黒い便（タール便）が出る
原因
特に疾患が発症していない場合も、食物やお薬により便が黒色になる場合があります。 黒い便を出た時は焦らずに、すぐ前に食べたものや飲んだお薬が影響していないか考えてみましょう。
特に何も思いつかなかった場合は、すぐに当院にご相談ください。
お薬
硫酸鉄、薬用炭、プロトポルフィリンナトリウム、ビスマス剤、鉄剤など
食べ物
イカスミを含む食べ物など
Black stool黒い便（タール便）が
出る時に疑われる疾患
胃潰瘍
胃粘膜に潰瘍と呼ばれるただれが生じている状態です。ステロイド薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬（NSAIDs）の内服、ピロリ菌感染、ストレスなどが代表的な原因です。
タール便に加えて、みぞおちが痛む、お腹が空いている時に胃が痛む症状が現れます。
十二指腸潰瘍
十二指腸粘膜がただれた状態です。胃潰瘍と同じように、ステロイド薬や非ステロイド性消炎鎮痛薬の内服、ピロリ菌感染などが原因です。血を吐いたり、お腹が空いた時や夜・朝早くにみぞおちが痛んだりすることもあります。
食道がん・胃がん
食道や胃にがんができて血が出るとタール便が現れます。
食道がんになると、タール便だけではなく食物のつかえ感、体重減少、咳、声がれなどの症状が現れます。胃がんになると、みぞおちの痛み、吐き気、食欲不振、胃の気持ち悪さなどの症状も出ます。
食道静脈瘤
食道粘膜の静脈が瘤（こぶ）のように隆起した状態で、多くは肝硬変の合併症として生じます。
発症しても自覚するような症状は現れませんが、静脈瘤が肥大化して破裂すると吐血や下血（タール便）などが起こります。
Black stool黒い便（タール便）以外の
症状にも注意！
タール便に加えて次のような症状が現れた方は、直ちに受診しましょう。
- 体重減少
- 食欲不振
- みぞおちの痛み
- 胃やお腹の痛み
- 食べ物がつかえる感じ
- 吐き気、嘔吐
- 咳、声がれ
- 発熱
Black stool苦痛の少ない
胃カメラ検査で原因を特定
赤っぽい便が出た際は、肛門付近の大腸から出血していることが疑われます。便が黒い場合は、食道・胃・十二指腸などの肛門から遠い上部消化管から出血している可能性が高いです。
消化器を通る時に血液内のヘモグロビンが酸化して硫化ヘモグロビンに変わることで便が黒っぽくなります。 上部消化管から血が出ていると推測される場合は、胃カメラ検査を行います。
当院ではスコープを口からいれる経口内視鏡検査、もしくは鼻からスコープを入れる経鼻内視鏡検査を選択できます。鎮静剤を使用して、ウトウトとしている状態で検査を受けていただくこともできます。検査を検討されている方は一度当院までお問い合わせください。
