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おりものの異常(量が増える・黄緑色・悪臭)

おりものについて

おりものについて

健康な時にも、おりものの量が多くなる場合があります。腟内の細菌叢(さいきんそう)の変化、抗生物質の使用、ストレスなどによって、おりものは増えます。また、おりものの量はホルモンの分泌量でも変化し、個人差もあります。
したがって、ご自身のおりものについて、日頃はどのようであるか理解しておくことが重要です。通常とは異なる色、臭い、量のおりものが見られる時には、婦人科への受診が推奨されます。

正常なおりものって
どんな感じ?

  • 透明から乳白色の色をしている
  • 排卵期に茶色のおりものが見られる
  • 卵白程度にネバネバしている
  • わずかに酸っぱい臭いがする

一般的に、生理周期に合わせておりものの状態や量も変化し、黄色みを帯びる、量が増える、臭いが強まるなどといったことがあり得ます。また、ストレスや疲労によっても変化するため、心身の状態に気付く機会にもなります。おりものの変化を知ることは、病気の早期発見や治療に繋がります。ご自身のおりものが正常であるか気になる時は、婦人科までご相談ください。

おりものの量が増加する周期

おりものの量が多いと心配になるかもしれません。 以下に、おりものの量が増加する原因を4つご紹介します。

生理周期

おりものは、卵胞期、排卵期、黄体期、生理期という生理周期に伴って、色や臭いが変化するだけでなく、量についても増えたり減ったりします。

卵胞期のおりもの

卵胞期は、量は少なくサラッとしたおりものが見られます。ただし、生理が終わってすぐの時期は、経血も混じるため茶色っぽい場合があります。卵胞期の後半になるとおりものの量が増加します。

排卵期のおりもの

生理開始から14日前後の排卵期におりものの量が最も多くなります。透明で卵白程度の粘り気があるおりものが見られ、受精を助ける働きをします。

黄体期のおりもの

黄体期には、おりものの量が次第に減ります。白濁してベタつきもあるため、下着やパンティライナーに付いて乾燥すると、酸化して黄色っぽく見える場合があります。

生理期のおりもの

生理前のおりものの量は、再び多くなります。白濁してベタベタしており、臭いも強まります。生理の少し前から血が混じることもあり、茶色やピンク色に見えるおりものが見られる場合もあります。

年齢

おりものの量の変化には、年齢も関与します。卵胞ホルモン(エストロゲン)の増減とおりものの量は相関するため、年齢によって変化するエストロゲン分泌量も考慮します。

10代のおりもの

初潮が始まる頃からおりものの量は増えていきますが、エストロゲン分泌が不安定な時期のため、おりものの量も増えたり減ったりします。

20代から30代にかけての
おりもの

エストロゲンの分泌量が増加する20代後半~30代前半は、おりものの量も多くなります。特に30代に入る頃が最も多く、30代後半になると徐々に減少していきます。

40代のおりもの

40代を迎える頃にはエストロゲンの分泌量が減っていくため、おりものの量も少なくなります。また、生理の周期が不安定になる場合もあります。

更年期・閉経後のおりもの

閉経の前後に数年ある更年期になると、エストロゲンの分泌量減少が急に進むため、おりものの量も同様に減っていきます。また、閉経後およそ2~3年で、おりものはほぼ見られなくなります。

妊娠

妊娠妊娠した時には、胎児を感染から守るためにおりものの量は増加します。基本的に、排卵期が終わるとエストロゲンの分泌は減るので、おりものの量も少なくなっていきます。しかし、妊娠するとエストロゲン分泌が減らないため、黄体期に移行してもおりものの量が減少しない場合もあります。排卵期を過ぎてもおりものの量が変化せず、さらに予定日以降に月経が始まらない時は、妊娠が考えられます。生理予定日から1週間ほど空けて、妊娠の有無を確認することをお勧めします。

疾患

おりものの量が増える場合、月経周期、年齢、妊娠などによる正常な変化と、疾患による何らかの対応が必要な変化があります。
おりものの量が多くなるという以外に、臭い、色、状態に変化が見られる場合は、背後に疾患が潜んでいる恐れを否定できません。かゆみ、痛み、発熱などの症状が出ている時は、速やかに医療機関を受診してください。

おりものの
正常な量の目安について

おりものの正常な量の目安についてご自身では普通だと思っていても、実際にはおりものが正常な量より多い場合もあります。
健康な方であれば、時期にかかわらず量の増減はあってもおりものは出ています。
ここでは、おりものの量の目安を知る方法をお伝えします。

量の目安を知る方法とは?

おりものシートを使用して1日安心して活動ができる場合は、正常な量だと言えます。おりものシートでは足りず、生理用ナプキンが必要な場合や、1日に何回もおりものシートを替える必要がある場合は、量が多いと考えられます。この場合、何らかの病気が原因の可能性がありますので、医療機関の受診が推奨されます。

気を付けるべき
おりものの色の変化

血液が混じって茶色がかったおりもの

茶色いおりものが見られる時は、少量の出血や酸化した血液の経時変化によるもので、不正出血が考えられます。なお、月経前後や排卵時にも茶色いおりものが出る場合がありますが、それ以外の時期にも続く時や、腹痛の症状が見られる時には、婦人科の受診が推奨されます。その他、淋病やクラミジアなどの性感染症により子宮頚管炎が生じて、おりものが茶色になる場合もあり、速やかな治療が必要になります。

疑われる疾患

など

黄色みがかったおりもの

黄色みがかったおりもの黄色みがかったおりものが見られるのは、細菌や白血球を含んでいる時で、性器のかゆみや下腹部痛などの症状が現れやすく、感染症を疑います。原因となる疾患としては、クラミジア、トリコモナス、淋菌などの性感染症が挙げられますが、いずれも自然治癒は望めません。医療機関で治療を行っていない場合、さらなる病気や不妊症に繋がる恐れがあるため、黄色みがかったおりものが見られる時は、速やかに婦人科を受診しましょう。

白いおりもの

おりものが白く、ボロボロとしたカッテージチーズや酒粕状になっている時は、カンジダ腟炎が強く疑われますので、速やかに婦人科で診察を受診しましょう。また、かゆみが出るケースも多々あります。

疑われる疾患

など

黄緑色のおりもの

おりものが黄緑色に見える場合は、細菌や白血球の残骸を含んでおり、クラミジアや淋菌感染を考えます。特に、魚の腐敗臭やアンモニア臭のような異臭がする場合は、トリコモナス腟炎を疑います。これらの症状が見られた時は、お早めに婦人科を受診しましょう。

上記に挙げたおりものの色の変化は、性感染症を発症していることが大半です。早期に医療機関を受診して最適な治療を開始することが、感染の広がりや病状の進行を予防します。性感染症は、初期には症状が現れないものが多く、不妊や母子感染に繋がる恐れもあります。おりものに変化が見られた時には、できるだけ早く婦人科で診察をお受けください。

気を付けるべきおりものの性状の変化

水っぽい・粘り気が強いおりもの

おりものの水分量や粘性の変化は、生理周期によるものと、疾患が原因で生じているものがあります。白くてボロボロとした塊のおりものはカンジダ腟炎を疑い、クリーム色から黄緑色のネバネバしたおりものでかゆみがある時はクラミジアや淋病を考えられます。また、泡立って強い異臭がするおりものはトリコモナス腟炎の可能性があります。このような症状が見られた時は、医療機関を受診することが必要です。

気を付けるべきおりものの臭いの変化

アンモニア臭

アンモニア臭おりものの臭いは、腟の中の乳酸によって一般的に少し酸っぱいと言われ、時に酸味が強く感じられても正常な場合がほとんどです。しかし、魚の腐ったような臭いやアンモニア臭のような不快な臭いがする際は、トリコモナス腟炎が疑われるため、早期に婦人科を受診することが推奨されます。その他、強い臭いがある時には、細菌感染を疑い、また、頻度は低いものの子宮頚がんや子宮体がんの可能性を否定できないため気をつけなければなりません。

疑われる疾患

など

急なおりものの量の変化

生理周期とは無関係に多量のおりものが出る

おりものの増加が生理周期に関連している場合は、心配はいりません。しかし、本来なら量が減る黄体期などに多量のおりものが見られる時は、気を付けなければなりません。おりものが持つ細菌による感染を防ぐという自浄作用に変化が起きている場合は、身体に何らかの異常が生じていると考えられます。原因となる疾患の存在も疑われるため、速やかに婦人科への受診が推奨されます。

年齢とは無関係に多量のおりものが出る

エストロゲンの分泌は、初潮を迎える前の8~9歳頃から始まり、卵巣や子宮の発育を促すと同時に、白色から黄色のおりものが見られるようになります。また、更年期や閉経後はエストロゲンの分泌量が急激に減少するため、おりものの量も減ります。人によって多少の違いはありますが、初潮前、更年期や閉経後の年齢で多量のおりものが見られる場合は、婦人科で診察を行ってください。