マイコプラズマ・ウレアプラズマとは
マイコプラズマ・ウレアプラズマは、性交渉によって感染する性感染症の1つで、原因となる細菌にはマイコプラズマとウレアプラズマがあります。通常のセックス以外にも、口腔性交や肛門性交、キスといった性的接触によって感染する恐れがあります。主な感染部位は、男性はのどと尿道、女性は喉と腟です。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの症状
女性に起こる主な症状
感染しても大半は症状がないか軽度のため、知らない間に感染が拡大する場合が多くあります。感染して24時間以上経てば、検査を行えます。
男女共通の症状
- のどにイガイガ感がある
- 咳が出やすい
- のどに不快感や違和感が生じる
- 症状がほとんどない
男女共にのどの症状が見られます。また、淋病やクラミジアで生じるのどの炎症に似た症状のため、検査を行い区別することが欠かせません。症状が見られない場合も多く、口腔性交やキスによって感染することから、気になる症状がある時は早めの受診をお勧めします。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査
日本においてマイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症の検査は一般化しておらず、保険適用とはならないため、2012年から自由診療も行う医療機関にて実施されています。当院では腟ぬぐい液や尿検査による検査が受けられます。あまり知られていない性感染症ですが、淋病やクラミジアと同程度の高い感染率であることが検査結果からも分かります。
また、のどに感染する点も似ていることから、疑いがあるケースではのどの検査の実施も勧められています。7日程度で検査結果が判明しますが、有症状の方はそれより前に治療を始めることができます。
検査を受ける方へ
- 生理中や妊娠中の方は、腟ぬぐい検査を行うことができません。生理中の場合は、生理期間が終わってからご来院ください。妊婦の方は、婦人科をご受診ください。なお、生理中や妊娠中でも、採血や咽頭検査による検査はお受けいただけます。
- 抗生物質による内服治療を受けている方は、正確な検査結果とならない可能性がありますので、治療終了後2週間以上空けて検査を行ってください。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの治療
抗生剤の処方
マイコプラズマ・ウレアプラズマの治療薬として抗生物質が処方されますが、耐性菌の増加により効果が十分に現れない場合もあります。また、クラミジアに似た症状が見られるため、検査でクラミジア感染が陰性であっても、のどや尿道に違和感がある時は、性感染症に関する検査の実施が推奨されます。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの予防
- 口腔性交時にもコンドームは使用する
- 特定のパートナー以外とは性交渉を行わない
- 感染機会となりやすいディープキスは避ける
※性感染症の原因となるマイコプラズマと肺炎が生じるマイコプラズマは種類が違うので、間違えないようにご注意ください。
マイコプラズマとマイコプラズマ肺炎の違い
性感染症であるマイコプラズマは、キスをはじめとした性交渉を介する粘膜の接触感染により発症します。一方のマイコプラズマ肺炎は、くしゃみや咳などの接触感染や飛沫感染により気管や気管支に感染して肺炎が生じる病気です。似た疾患名ですが、性感染症のマイコプラズマとマイコプラズマ肺炎の原因菌は別の種類です。
当院で調べる性感染症のマイコプラズマは、マイコプラズマ・ジェニタリウムやマイコプラズマ・ホミニスが原因菌です。
一方、マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニエが原因菌です。
性感染症のマイコプラズマに感染するとマイコプラズマ肺炎に感染するということはなく、その反対も起こりません。
また、マイコプラズマ肺炎の方から性交渉を通じて、腟やのどなどにマイコプラズマ感染が起きることはありません。
性感染症のマイコプラズマであれ、マイコプラズマ肺炎であれ、症状のみでは鑑別できないので、早期発見のためにも感染が疑われる時には、当院までご相談ください。
マイコプラズマ肺炎のよくある症状
感染後の潜伏期間は2〜3週間で、主に下記の症状が見られるようになります。
大半は、発症後約5日〜1週間で回復していきます。
- 咳
- 発熱
- 痰
- 頭痛
- のどの痛み
- 全身の倦怠感
