- 生理期間ではないのに 出血する「不正出血」
- 不正出血セルフチェック <少量・一日だけ・鮮血・茶色>
- 不正出血の主な原因
- ストレスが原因で不正出血が 生じることもあります
- 10代~50代 年代別の不正出血の特徴
- 血の色で判別可能?
生理期間ではないのに出血する「不正出血」
不正出血とは、生理期間ではない時に性器から出血することを指し、不正性器出血と呼ばれることもあります。
出血の色には違いが見られ、出血からすぐの場合は「赤色」、時間が経過すると「茶色」、少量の出血は「黄色」に見えることがあります。
また、出血には排卵期や妊娠初期などの身体のサイクルが影響しているものと、子宮頚がんや卵巣腫瘍など重大な病気が潜んでいるものがあります。
生理不順と不正出血の違い
出血が見られた場合、生理不順によるものなのか、はたまた不正出血なのか、分かりづらいことがあるかもしれません。通常、月経周期は25~28日で、期間によって基礎体温も変化します。
生理不順がある方でも同様ですので、日頃から基礎体温を測っておくと生理不順と不正出血の違いを区別できます。
不正出血セルフチェック
<少量・一日だけ・鮮血・茶色>
不正出血は様々なパターンがあり、自己判断に迷う方も多いです。
以下のセルフチェックで1つでもあてはまる方は不正出血の疑いがあります。また、痛みやかゆみを伴う出血、閉経後に出血が見られる場合は、緊急性の高い不正出血の可能性がありますので、早急に医療機関を受診しましょう。
- 少量の血液が下着についている
- 月経期間以外に赤色の出血がある
- 月経期間外に1日だけ出血した
- おりものが茶色っぽい
- かゆみや痛みのある出血が生じる
- 閉経後に出血が見られる
不正出血の主な原因
不正出血は、妊娠、ホルモンバランスの乱れ、 炎症、良性または悪性の腫瘍などが原因で起きます。
妊娠によるもの
妊娠初期に見られる受精卵の子宮着床時や胎盤形成時の出血があります。その他、子宮外妊娠や流産によって起きることもあります。
ホルモンバランスの乱れによるもの
卵巣機能不全や生理不順などホルモンバランスが乱れて不正出血が生じることもあります。
炎症によるもの
タンポンや性交渉によって腟に生じた傷やびらん、トリコモナスやクラミジアなどの性感染症、萎縮性腟炎などが原因で出血することがあります。
良性腫瘍によるもの
子宮筋腫やポリープなどがあることで出血する場合があります。
悪性腫瘍によるもの
卵巣腫瘍、子宮頸がん、子宮体がん、子宮肉腫、腟がんなどの疾患によって、出血が生じる場合があります。
さらに不正出血は、血尿や肛門からの出血などとの違いが分かりづらい場合もあります。原因の特定には検査などが必要なため、出血が続く時には、早期の婦人科受診が推奨されます。
ストレスが原因で不正出血が生じることも。
日々の生活におけるストレスによって不正出血が見られる場合もあります。
人は身体にストレスを感じると、副腎からコルチゾールと呼ばれるホルモンが放出され、女性ホルモンであるプロゲステロンの産生が抑制されます。その結果、ホルモンバランスの乱れが生じて、月経以外の時期に出血しやすくなります。
なかでも、睡眠不足、人間関係の問題、PCやスマホから受けるブルーライトなどが交感神経に作用すると、身体はストレスとして感じるようになります。
ストレスによる不正出血が起きている場合は、ストレス発散や、生活環境の調整を行い、乱れたホルモンバランスを戻すことが重要です。
10代~50代 年代別の不正出血の特徴
特にホルモンバランスの変化が大きい女性は、年齢によって不正出血の特徴に違いが見られます。
以下には、年代別に考えられる不正出血の原因と効果的な対応についてご紹介します。
10代(思春期)
思春期の身体は、初潮を迎えて月経周期も一定ではなく、ホルモン分泌が不安定な時期のため、不正出血が見られることがあります。
規則正しい生活を心がけ、無理なダイエットを控えて栄養の偏りがない食事をすることで、ホルモンのバランスは改善していきます。
20代~30代
不正出血に繋がるものとして、妊娠や出産があります。その他、公私にわたるストレスもホルモンバランスに関係すると考えられます。
妊娠を希望する時期をパートナーと相談して、産婦人科で適切な避妊のアドバイスを受けることや、ストレスを上手に発散する生活を送ることが重要です。
40代~50代(更年期)
更年期が近づくと、閉経による身体の変化によって不正出血を引き起こす場合があります。閉経後に見られる出血は、子宮頸がんや子宮体がんの可能性も疑われるため、医療機関で精密検査を行い、がんによる出血なのかを明確にしておくことが重要になります。
血の色で判別可能?
茶色の出血の場合
茶色い出血が見られる場合は妊娠の疑いがありますので、まずは生理周期や排卵の時期、性交渉などを確認して、妊娠しているかを見極めましょう。
妊娠していない場合は、出血の時期から推測できることがあります。
生理が始まる前や終わってすぐに生じる茶色の出血の多くは、子宮内の血液が影響しているため、疾患の可能性は低くなります。一方で、月経時期ではない茶色の出血や、生理後も出血が継続する場合は、子宮筋腫、ポリープ、子宮がんなどの疾患が原因ではないかと考えます。
鮮血の場合
生理の時期ではない時に生じる赤色の出血は、月経不順が原因の不正出血が疑われます。また、ストレスの蓄積や不規則な生活などによって、ホルモンバランスが崩れた時にも見られます。
その他の原因として、腟炎、子宮腟部のびらん、子宮筋腫、内膜炎、ポリープなどの炎症や疾患も挙げられます。不正出血が長期間続く時や通常と異なる時は、当院までご相談ください。