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経腟・経腹超音波検査

婦人科の超音波検査

超音波(エコー)検査の仕組み

専用の装置で人の耳に聴こえないほど高い周波数の音波を身体に発信し、音波の透過と反射の性質を利用して、瞬時に臓器など身体の中の状態を画像化する検査です。超音波は身体への侵襲が無く、お腹の赤ちゃんにも影響を与えない安全な検査です。

どんな時に受ける?

切る、針を刺すレーザーで焼くなどで身体に傷をつけません。また、X線のように被ばくの心配もないため、婦人科では必須で基本の検査となっています。
婦人科の病気が心配になる20歳を過ぎたら、年に1~2度は受診することをおすすめします。

子宮超音波検査(経腟超音波検査)

子宮や卵巣などの状態を確認したい場合、一般的には経腟超音波検査を行います。腟内から超音波を当てることによって、より鮮明に骨盤内の臓器の状態を知ることができるため、婦人科の検査では内診とともに基本的検査の1つになっています。
一般的な子宮がんの検診では、問診、内診の他に子宮頸部の細胞のサンプルを採取して検査をする「子宮頸部細胞診」を行います。ただ、これだけでは、子宮頸がんの存在の有無はわかりますが、女性の生殖器に多い子宮内膜症、卵巣のう腫などの病気を発見することはできません。
これに対し、経腟超音波検査では、子宮や卵巣の状態をリアルタイムに画像化して確認して行きますので、子宮がん検診ではみつけられない一般的な婦人科の病気も発見することができます。
経腟超音波による子宮や卵巣の検査は、現在のところ婦人科以外での認知度が低いため、自治体による定期的な子宮がん検診などでは導入されていないことも多く見かけます。しかし、痛みや出血なども無く数分で済む検査ですので、体調に不安がない方でも、20歳を超えたら積極的に定期的に受診することをおすすめします。当院でも経腟超音波検査を行っていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。

検査について

婦人科診療用の内診台にお座りいただき、プローブと呼ばれる細長い棒状の超音波受信器を腟内に挿入します。これによって内性器に最も近い位置から超音波を送受信でき、子宮や卵巣の状態を明瞭に観察することが可能になります。プローブの先から発信された超音波は、臓器の境界や腫瘍、ポリープといった音響特性の変化がある部分で反射します。反射した超音波をプローブで受信し、反射波の強さによって白からグレーの濃淡で内蔵の状態を画像化し、リアルタイムに確認することができます。
子宮や卵巣などの位置、大きさは個人によって異なるため、検査時間はそれによって変化しますが一般的には5分程度の検査です。病変などがある場合、その位置や数などによって時間を要することもあります。
挿入の際に違和感を覚える場合もありますが、基本的には痛みや出血はまずありません。また内部で臓器をはっきり観察できる位置を探るためにプローブの方向を動かすことがあります。
検査は腟内にプローブを入れるだけで、切開や注射針を刺すなどの侵襲はありません。検査の際にはプローブに専用の使い捨てカバーを付けますので、衛生面でも安心です。

検査で分かる病気

経腟超音波検査では、子宮や卵巣の大きさ、子宮内膜の厚さ、内部の様子、卵巣内部や卵胞などの様子を精細に観察することが可能です。それによって以下に例示するような体調不良の原因となる病気や、無症状の病変の早期発見ができ、婦人科では大変有効な検査の1つです。

こんな方におすすめの検査です

子宮や卵巣に起こりやすい病気の中には、はじめはほとんど自覚症状が無く、悪化して症状があらわれて初めて気がつくものもあります。そうした病気の早期発見のためにも、年齢層や症状の有無に関わらず、女性の皆様に受けていただくことをおすすめします。

中でも、以下のようなお悩みがある場合は、前述の病気の可能性もありますので一度当院までご相談ください。

  • 月経痛が辛い
  • 24日より短い周期で月経がある、月に2度月経がある(過多月経)
  • 貧血 がある

性経験のない方の子宮超音波検査

経腟超音波検査で使用するプローブはできる限り細く作られているとはいえ、子宮がん検診で使う綿棒や検査用ブラシよりも太いものです。そのため性経験がない場合、出血や痛みを伴うことが多く、一般的にそのような場合には経腟超音波検査を行うことはありません。
かわりに、お腹にプローブを当てて内生殖器を診る腹部超音波検査を行うことが多くなっています

検査について

腹部超音波検査では、お腹に医療用のジェルを塗ってプローブを患部に当てて超音波を発信します。その際、膀胱に尿が溜まって膨らんでいると子宮を観察しやすくなるため、検査前にトイレを我慢していただく場合があります。医師やスタッフの指示に従ってください。腹部超音波検査の場合、経腟検査より患部までの距離があるため、解像度は若干低下します。ただし、現在の検査装置は性能も向上していますので、3~4cm程度の腫瘍や筋腫などの病気を見つけることが可能です。また下着を脱がず検査を行うことができるのはメリットの1つです。
ただし、より正確な検査が必用な場合、肛門からプローブを入れることで経腟検査に近い結果を得ることができる経腸超音波検査をおすすめすることもあります。

『要受診』『要精密検査』と
診断された方へ

定期的な健康診断や子宮がん検診などで、結果に要受診、要精密検査などの指摘を受けることがあります。その際、ご自身で勝手に判断して放置してしまうことも見受けますが、それによって重症化してしまう可能性もあります。当院でも健康診断の結果を受けての精密検査を丁寧に行っておりますのでいつでもご来院ください。