TOPへ

子宮頸がん

このような症状はありませんか?

  • 不正出血(月経時以外の出血)
  • 性行為の際の出血
  • いつもと異なるおりもの
  • 下腹部痛

以上のような症状は婦人科の病気である程度共通するものですが、子宮頸がんのサインになっていることもあります。子宮頸がんは、その早期にはほとんど自覚症状があらわれないことが多いのですが、これらの症状が続く場合には、一度当院までご相談ください。

子宮頸がんとは

子宮には、袋状の本体(体部)と入口の部分(頸部)があります。この入口の部分にできるがんが子宮頸がんで、子宮体部にできるがんとは発症のメカニズムが異なっています。
子宮頸がんは、早期のうちに発見して適切な治療を行えば比較的治しやすいがんです。しかし気づくのが遅れてしまった場合、治療が難しくなってしまいます。自治体が実施している子宮がん検診などを積極的に受診し、早めに見つけるようにしましょう。

 

HPVワクチンの接種

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症するがんです。そのためHPVへの感染を防ぐことができるワクチンの接種が予防に有効です。HPVワクチンには現在3つの種類があります。どれも定期接種の対象となっており、自己負担無しの公費で接種が可能で、接種を受ける年齢によって2回、または3回に分けて接種します。

ワクチン

 

子宮頸がん検診

子宮頸がんは、早期にはほとんど自覚症状があらわれません。早期発見のためには定期的な子宮がん検診を受診することが大切です。近年はHPVワクチンが定期接種となっていますが、罹患の可能性が0になるわけではありませんので、ワクチンを受けていても20歳を過ぎたら、定期的に検診を受けるようにしましょう。多くの自治体では20歳から隔年で子宮頸がん検診への公費補助を行っています。詳細はお住まいの自治体にお問い合わせください。

子宮頸がんの発生場所

子宮頸がんは前がん病変として正常な細胞が変化し異形成を生じます。その後、子宮頸部の一番内側の粘膜組織である子宮頸部上皮にがんが留まってしまう上皮内がん、周囲の組織にがん細胞が入り込んだ浸潤がんの3つの段階に大きく分けることができます。

 

子宮頸がんになりやすい人はどんな人?

HPVは性行為によって感染し子宮頸部の組織を変化させてしまうウイルスです。そのため、性経験のある女性であればだれでも発症の可能性があります。近年前がん病変である異形成を起こしている若い女性が増加しています。

 

子宮頸がんの検査

検査から診断まで

医師が専用のブラシのようなもので子宮口を優しく擦って、子宮頸部の細胞を採取し、顕微鏡で観察する子宮頸部細胞診を行います。

その結果から、異形成やがんを疑う細胞を発見した場合は、子宮頸部を拡大鏡で観察しながら細胞を採取し、病理検査(生検)を行い、確定診断となります。

子宮頸がんとの診断になった場合には、内診やCT、MRI、特殊な薬剤を注射した上で全身への転移具合などを診るPET検査などを行い、ステージと治療方法を検討していきます。

 

子宮頸がん検診

自治体などが行う子宮頸がん検診は、前項で説明した子宮頸部細胞診を行う検査で、医師が子宮頸部を専用のブラシなどで擦って採取した細胞を顕微鏡検査するスクリーニングテストです。早期発見や予防に有効ですので、20歳を過ぎたら隔年で受診するようにしましょう。

 

子宮頸がんの治療

治療方針については、がんのステージ、患者様の年齢、将来妊娠や出産の希望があるかどうか、現病歴(持病)の有無や種類などを総合的に検討して決定していくことになります。医師とご自身に合った治療法について良く話し合って選択してください。

 

進行期1A1期

子宮頸部円錐切除術(又は単純子宮全摘術)

将来、妊娠・出産を希望される方のために子宮を温存する術式で、異形成からごくわずかな浸潤がんにまで対応します。子宮頸部を経腟的に円錐形に切除することで子宮を温存でき、妊娠・出産も可能ですが、子宮頸部を切り取るため、早産のリスクや不妊のリスクがあります。切除した組織は病理検査を行います。

 

進行期1A2期~2B期

広汎子宮全摘術、準広汎子宮全摘出術リンパ±節郭清±放射線、抗がん剤

1A2期は子宮頸部の間質細胞への浸潤が3mmを超えて5mm以内に治まっている状態で、2B期は子宮近くの組織に浸潤が診られるが骨盤までは至っていない進行度合いです。

この場合でも将来の妊娠・出産を希望される方は、広範囲に子宮頸部を切除する方法を検討することもありますが、一般的には子宮全摘出および、腟の一部や卵巣、子宮付近のリンパ節などを摘出する術式をとることになります。

進行状況によって、手術の他に放射線療法や化学療法を行うことがあります。その場合、放射線療法による胃腸障害、下痢、皮膚炎、腸閉塞といった副作用、抗がん剤による吐き気、血液毒性や腎毒性といった副作用に十分注意しながら治療を進めることになります。

 

進行期3期~4期、再発時

放射線、抗がん剤

がんが進行し、腟や骨盤内などに浸潤していたり、膀胱・直腸などへの進展、肺や肝臓などへの転移が診られたりする場合には、手術が適用できませんので、放射線療法や化学療法、あるいは放射線療法と化学療法の併用などによって治療を行います。その方法は患者様の年齢や体力などを考慮した上で決定していきます。

また、子宮頸がんが再発した場合は、がんが子宮頸部だけにとどまっていれば再手術を検討することもあります。ただし一般的には手術は行わず、放射線療法や化学療法を検討することになります。

 

子宮頸がんの治療成績、
早期発見・早期治療を

子宮頸がんは、早期のうちに発見できれば比較的侵襲の少ない治療で完治できることが多く、子宮を温存し将来の妊娠・出産の可能性を残すことも可能です。しかし、早期には自覚症状に乏しく気づいたら進行しているということも少なくありません。
まずは、HPVワクチンを必ず接種することによって、1次的な予防を行い、さらに20歳をすぎたら2年に1度は子宮頸がん検診を受けて早期発見や2次予防に努めることが大切です。
当院でもワクチン接種や検診に対応していますので、何かお困りのこと、不明なことなどに関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。