Duodenal ulcer十二指腸潰瘍とは

小腸と胃を繋ぐ十二指腸は、胆汁や膵液などを混ぜ合わせて消化のサポートをしています。十二指腸潰瘍は、十二指腸壁が粘膜下層以深までダメージを受けて深掘りされている疾患です。1番多い原因としてはピロリ菌感染、その次は非ステロイド系消炎鎮痛薬の内服です。ピロリ菌感染陽性の方は、除菌を行えば十二指腸潰瘍はほとんどの場合再発せずに済みます。
代表的な症状としては、お腹の痛みや血が出ることで生じるタール便や貧血です。胃潰瘍は食事後のお腹の痛みが多い一方で、十二指腸潰瘍は夜やお腹が空いている時にお腹が痛みやすいです。十二指腸壁は胃壁よりも薄く、穿孔や出血の危険性がやや高めだと言われています。穿孔が生じた際は、直ちに病院を受診して的確な対応をとらなければなりません。

Duodenal ulcer十二指腸潰瘍の原因

代表的な原因はピロリ菌感染、その次に鎮痛薬などで飲まれる非ステロイド系消炎鎮痛薬が多いです。市販薬の中にも非ステロイド系消炎鎮痛薬に分類されるものもあるため、みぞおちの痛みをはじめとする上部消化管症状が見られる方は飲まないようにしましょう。
もし医師から処方されたお薬が入っている時は、できれば処方薬を変えてもらいましょう。また、脂っこい食事やストレスにより胃酸が過度に分泌されると発症しやすくなり、増悪する可能性が高くなると考えられています。

Duodenal ulcer十二指腸潰瘍の症状

お腹の右上が痛くなる場合が多いですが、お腹の上やみぞおちが痛くなることもあります。痛みはお腹が空いている時に生じやすく、夜中に痛んで起きてしまう場合もあります。また、焼けるような痛み・疼痛・鈍痛・食欲低下・げっぷ・胸やけ・吐き気が生じる場合もあります。
増悪して潰瘍から血が出ると、めまい・冷汗・頻脈などの貧血症状や、黒いタール便などの下血、吐血が見られる場合もあります。傷が深掘りされると十二指腸壁が破れて穿孔となる場合もあり、ひどい痛みを感じるため直ちに病院にご相談ください。

Duodenal ulcer十二指腸潰瘍の検査と診断

胃カメラ検査で十二指腸粘膜の現状を観察し、炎症のひどさや潰瘍の大きさをチェックします。血が出ているケースでは内視鏡を用いて血を止めます。
また、組織を採取して病理検査を実施し、診断を確定させます。胃カメラ検査を行えばピロリ菌が感染しているかどうかもチェックできます。

Duodenal ulcer十二指腸潰瘍の治療

ピロリ菌感染検査で陽性と判断された場合は、除菌治療が上手くいけば十二指腸潰瘍が再発する可能性がかなり低くなります。また、潰瘍がひどいケースではお薬を使って軽快してから除菌治療をする場合もあります。

近年、十二指腸潰瘍に対して有効性の高いお薬を使えるようになり、大半の場合にはお薬で治すことができます。粘膜を守って修復させやすくするお薬や胃酸分泌を抑えるお薬などを用いて、症状や炎症の程度を軽減させます。非ステロイド系消炎鎮痛薬により潰瘍ができている場合は、お薬の内容を変えることもあります。また、非ステロイド系消炎鎮痛薬の市販薬が原因となっている場合もあるため、気をつけるべき市販薬について丁寧にお伝えします。