大腸がんのステージ別症状と進行度の確認方法は?早期発見のポイントを解説
大腸がんは、日本人のがん死亡原因の上位に位置する重大な疾患です。早期発見と適切な治療が重要ですが、初期段階では自覚症状に乏しく、進行するまで発見されにくいという特徴があります。大腸がんのステージ別症状や進行度の確認方法を理解し、定期的な検査を受けることが大切です。
本記事では、大腸がんのステージ別症状と進行度の確認方法についてや、早期発見のポイントや検査方法についても詳しく解説します。
もし、大腸がんを疑うような症状がある場合や、検査を検討されている方は、ぜひ最後までお読みください。
「柏駅前・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック」では、大腸がんの早期発見と治療に力を入れています。当院では、経験豊富な専門医が最新の内視鏡システムを用いて、患者様のお悩みに寄り添った、最適な検査と治療をご提案いたします。
大腸がんが気になる症状がある方、家族に大腸がんの方がいらっしゃる方、定期的な検査を検討されている方は、ぜひ当院にご相談ください。
電話でのご予約も9〜17時で承っています。
大腸がんとは?
大腸がんは、大腸(結腸と直腸)の内壁を覆う粘膜から発生する悪性腫瘍です。
大腸とは、小腸から続く消化管の最終部分で、長さは約1.5〜2mあります。大腸の主な役割は、食物の消化で生じた老廃物から水分を吸収し、便を形成することです。
大腸がんの多くは、大腸の粘膜にできた腺腫(良性のポリープ)が長い年月をかけて悪性化することで発生します。一般的に、腺腫が癌化するまでには数年から10年以上かかると考えられています。
また、大腸がんの発生部位は、大腸の中でも特に直腸とS状結腸に多く見られます。
大腸がんは、発生部位によって以下のように分類されます。
- 結腸がん:盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に発生するがん
- 直腸がん:直腸に発生するがん
大腸がんの症状は、初期段階では自覚症状に乏しいことが多いですが、がんが進行するにつれて、以下のような症状が現れることがあります。
- 便の形状の変化(細くなる、硬くなるなど)
- 便秘や下痢などの排便習慣の変化
- 血便や粘液便
- 腹痛や腹部不快感
- 貧血による倦怠感や息切れ
- 体重減少や食欲不振
しかし、これらの症状は大腸がん以外の疾患でも起こり得るため、症状だけでは大腸がんの確定診断は困難です。大腸がんの早期発見には、定期的な検査が重要となります。
大腸がんのリスク因子は以下の通りです。
- 加齢
- 家族歴
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)
- 肥満
- 喫煙
- 飲酒
- 赤肉の多量摂取
- 運動不足
これらのリスク因子を理解し、生活習慣の改善に努めることが大腸がんの予防につながります。
大腸がんは、早期発見と適切な治療により高い治癒率が期待できるがんの一つです。定期的な検査と生活習慣の改善により、大腸がんの予防と早期発見に努めることが重要です。
大腸がんのステージ別症状
後で詳しく書きますが、大腸がんのステージは、がんの深達度(大腸の壁にどの程度浸潤しているか)、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって分類されます。ステージが進行するにつれて、症状が現れる可能性が高くなります。以下に、大腸がんのステージ別症状と5年生存率について詳しく説明します。
ステージ0
ステージ0の大腸がんは、粘膜内癌とも呼ばれ、がんが大腸の最も内側の層である粘膜内に限局している状態です。この段階では、がんは非常に小さく、自覚症状はほとんどありません。
また、ステージ0の大腸がんは、内視鏡検査で偶然発見されることが多く、内視鏡的治療により完治が期待できます。
ステージ1
ステージ1の大腸がんは、がんが粘膜下層まで浸潤しているものの、筋層には達していない状態です。この段階でも、自覚症状は乏しいことが多いですが、以下のような症状が現れることがあります。
- 便の形状の変化(細くなる、硬くなるなど)
- 血便や粘液便
- 排便習慣の変化(便秘や下痢など)
ステージ1の大腸がんは、内視鏡検査で発見され、内視鏡的治療や外科的手術により治癒が期待できます。
ステージ2
ステージ2の大腸がんは、がんが筋層を超えて浸潤しているものの、リンパ節転移や遠隔転移はない状態です。この段階では、以下のような症状が現れることがあります。
- 血便や粘液便
- 便の形状の変化(細くなる、硬くなるなど)
- 排便習慣の変化(便秘や下痢など)
- 腹痛や腹部不快感
- 貧血による倦怠感や息切れ
ステージ2の大腸がんは、内視鏡検査、CT検査などで発見され、外科的手術により治癒が期待できます。
ステージ3
ステージ3の大腸がんは、がんが近傍のリンパ節に転移している状態です。この段階では、ステージ2と同様の症状に加えて、以下のような症状が現れることがあります。
- 体重減少や食欲不振
- 腸閉塞による強い腹痛、嘔吐、腹部膨満感
ステージ3の大腸がんは、内視鏡検査、CT検査などで発見され、外科的手術とリンパ節郭清、術後の補助化学療法を組み合わせた集学的治療により治癒が期待できます。
ステージ4
ステージ4の大腸がんは、がんが肝臓、肺、腹膜などの遠隔臓器に転移している状態です。この段階では、ステージⅢと同様の症状に加えて、以下のような症状が現れることがあります。
- 転移臓器に応じた症状(肝転移による黄疸、肺転移による咳嗽や呼吸困難など)
- 全身倦怠感や体重減少
- 強い腹痛や腹部膨満感
ステージ4の大腸がんは、内視鏡検査、CT検査、PET-CT検査などで発見され、転移の広がりに応じて、外科的手術、化学療法、放射線療法、分子標的療法などを組み合わせた集学的治療が行われます。治癒は難しい場合が多いですが、適切な治療により症状の緩和と生存期間の延長が期待できます。
大腸がんのステージ別5年生存率を表にまとめました。
ステージ |
5年生存率 |
---|---|
ステージ0 |
集計せず |
ステージ1 |
83.1% |
ステージ2 |
75.6% |
ステージ3 |
68.7% |
ステージ4 |
17.0% |
大腸がんステージ別5年生存率の表
大腸がんのステージ別症状と5年生存率を見ると、早期発見の重要性が明らかです。ステージが進行するにつれて、症状が現れる可能性が高くなり、治療が困難になります。
しかし、早期のステージ(ステージ0~2)では、自覚症状に乏しいことが多いため、定期的な検査が重要となります。
大腸がんの早期発見のためには、便潜血検査や大腸内視鏡検査などの定期的な検査を受けることが推奨されています。
また、生活習慣の改善(バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙など)により、大腸がんのリスクを減らすことができます。
大腸がんが疑われる症状がある場合や、定期的な検査を検討されている方は、医療機関に相談することが重要です。また、便潜血検査は、職場の健康診断や特定健診などの項目に含まれているため簡単に受けられます。早期発見と適切な治療により、大腸がんの予後は大きく改善します。
大腸がんの進行度合いはどのように確認する?
大腸がんの進行度合いを把握するためには、主に以下の3つのポイントを確認します。
- 1.大腸の壁にどれほど深く浸潤しているか(T因子)
がんが大腸の壁のどの層まで達しているかを評価します。粘膜内にとどまっているのか、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜まで浸潤しているのかを確認します。
2.リンパ節への転移があるか(N因子)
がんが近傍のリンパ節に転移しているかどうかを評価します。転移しているリンパ節の個数も重要な情報となります。
3.他の臓器への転移があるか(M因子)
がんが肝臓、肺、腹膜などの遠隔臓器に転移しているかどうかを評価します。転移臓器の数や部位も重要な情報となります。
これらの情報を総合的に判断し、大腸がんのステージ(病期)が決定されます。ステージの判定は、治療方針の決定や予後の予測に重要な役割を果たします。
大腸がんの検査方法
大腸がんの進行度合いを確認するための主な検査方法は以下の通りです。
1.大腸内視鏡検査
大腸の内部を直接観察し、がんの位置、大きさ、形態などを詳細に評価します。生検により組織を採取し、がんの確定診断を行います。
2.CT検査(コンピュータ断層撮影)
がんの深達度、リンパ節転移の有無、他臓器への転移の有無などを評価します。
3.MRI検査(磁気共鳴画像)
特に直腸がんの深達度、リンパ節転移の有無、骨盤内の他臓器への浸潤の有無などを詳細に評価します。
4.PET-CT検査(陽電子放出断層撮影)
がんの広がりを全身的に評価し、遠隔転移の有無を確認します。
5.血液検査
がんの進行に伴って上昇する腫瘍マーカー(CEA、CA19-9など)を測定します。
これらの検査を適切に組み合わせることで、大腸がんの進行度合いを総合的に評価し、正確なステージ判定を行います。
また、治療後の経過観察においても、これらの検査を用いて再発や転移の有無を確認します。
大腸がんの早期発見と適切な治療のために、これらの検査の重要性を理解し、医療機関で適切な検査を受けることが大切です。
大腸がんの検査は当院へお越しください
本記事では、大腸がんのステージ別症状、進行度合いの確認方法、および検査方法について詳しく解説してきました。
初期段階では自覚症状に乏しいことが多いですが、がんが進行すると、便の形状の変化、排便習慣の変化、血便や粘液便、腹痛や腹部不快感などの症状が現れることがあります。しかし、これらの症状は大腸がん以外の疾患でも起こり得るため、症状だけでは確定診断は困難です。
手遅れにならないためにも、定期的な検査や症状がある場合は早めに医療機関を受診することが重要です。
「柏駅前・胃と大腸肛門の内視鏡クリニック」では、経験豊富な専門医が最新の内視鏡システムを用いて、患者様一人ひとりに合わせた丁寧な検査を行っております。
また、他の必要な検査も適切に組み合わせて実施し、大腸がんの進行度合いを正確に評価いたします。
当院は、柏駅から徒歩1分の好立地にあり、平日だけでなく土曜日・日曜日も診療を行っておりますので、通院しやすい環境です。プライバシーにも十分配慮し、リラックスした環境で検査を受けていただけるよう、完全個室の検査室を完備しています。
気になる症状がある方、家族に大腸がんの方がいらっしゃる方、定期的な検査を検討されている方は、ぜひ当院にご相談ください。
大腸がんの早期発見と健康維持のために、当院の大腸内視鏡検査をご検討ください。
電話でのご予約も9〜17時で承っています。
[clinic file='clinic_info']