腹部の違和感にはどんな病気が隠れている?場所ごとに考えられる原因も解説!
腹部の違和感を感じても、様子を見ていればいつの間にか解消していることはよくありますよね。実際に腹部の違和感はストレスや、食べ過ぎなどの食生活の乱れにより起こるものが多いです。
一方で、実は治療が必要な疾患が隠れている可能性もあります。腹部の違和感の種類や原因は様々な種類があり、自分自身でその原因を突き止めるのは難しいです。気になる症状がある場合は、一度医療機関へ相談してみましょう。
柏駅前・胃と大腸肛門の内視鏡クリニックでは、経験豊富な内視鏡専門医が検査を実施しています。痛みを軽減した検査ができるよう、鎮静剤を使用し、リラックスした状態で検査を受けていただけます。
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腹部の違和感【場所ごとの原因と隠れている疾患】
腹部と一言でまとめられることが多いですが、その中には様々な働きをする内臓があります。そのため、違和感を感じる場所ごとによって原因や対処法が異なります。腹部に違和感がある場合は、
- どの場所に違和感があるのか
- どのような違和感なのか
- どのタイミングで痛むのか
- 吐き気や嘔吐、食欲不振など他の症状があるか
なども一緒に確認しておきましょう。
違和感を感じる場所によってどのような違いがあるのかを解説していきます。
腹痛
腹痛は、腹部の痛みを総称して使われます。ストレスや食べ過ぎなど一過性のものによっても引き起こされる症状であるため、様子をみていれば消失することも多いです。一方で、これまでに感じたことのないような痛みや、我慢できないような強い痛みが現れた際には、早急に対応しなければならない場合があります。
腹痛の原因には、様々な疾患が考えられます。腹痛が一度消失しても、何度も繰り返している場合もあります。気になる症状があれば、一度消失したから大丈夫だと自己判断せず、早めに消化器内科を受診しましょう。
みぞおち
みぞおちあたりの痛みや違和感には、消化器の疾患が隠れているかもしれません。みぞおちには、胃だけでなく、十二指腸や膵臓、小腸、大腸など多くの内臓が存在しているからです。
痛みが強くても我慢したり、違和感があるけれど我慢できるからと放置したりすると、重大な疾患を見逃してしまう可能性があります。そのため、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
みぞおちの痛みは、以下のような疾患が原因で生じることがあります。
- 逆流性食道炎
- 急性胃炎
- 十二指腸潰瘍
- 胃潰瘍
- 急性虫垂炎
- 急性膵炎
- 胃がん
この中でも逆流性食道炎は、みぞおちの痛みだけでなく、胸が焼けるような感覚や、酸っぱいもの(胃液)が上がってくる、食後に痛みを生じるといった症状があります。現代の日本人の3人に1人がかかると言われている身近な疾患の一つです。
吐き気や嘔吐、ゲップや食欲不振などの症状も一緒に出現している場合は、急性胃炎が疑われます。短期間で様々な症状が生じることが特徴です。
急性胃炎に生じるような症状は、胃がただれてしまう胃潰瘍や十二指腸潰瘍にもみられます。これら潰瘍は進行すると穿孔といって胃腸に穴が空いてしまいます。その場合は出血が起こり、手術などが必要になる可能性があるため、我慢したり、放置したりせずに医療機関へ相談しましょう。
右上腹部痛
右上腹部痛を感じる場合は、胆のうの疾患が隠れていることが多いです。胆のうは、脂肪を消化するために必要な消化液(胆汁)を貯めておく場所です。
右上腹部痛は、以下のような疾患が原因で生じることがあります。
- 胆石症
- 胆のう炎
- 胆管炎
- 十二指腸潰瘍
- 大腸憩室炎
- 腎盂腎炎
この中で、胆石症や 胆のう炎、胆管炎などの胆のうに関する疾患では、右上腹部のこれまでに感じたことのないような痛みとともに、背中や右肩など少し離れた場所にも痛みを生じることがあります。
炎症が起こっているために発熱したり、吐き気・ 嘔吐がみられたりします。胆石などが原因で胆汁が排出されない場合は、黄疸を伴うこともあります。
右下腹部痛
右下腹部痛を感じた場合、真っ先に考えられるのは虫垂炎です。
他にも子宮や腸の炎症などが考えられます。症状や検査で疾患を見分けていきます。
右下腹部痛は、以下のような疾患が原因で生じることがあります。
- 虫垂炎
- 憩室炎
- 急性腸炎
- 尿路結石
- 尿路感染症
- 子宮付属器炎
- 子宮内膜症
- 前立腺炎
虫垂炎は、はじめはみぞおちの痛みや違和感程度の症状が出現することが多いです。その後、痛みが移動し右下腹部痛になって出てきます。お腹がはって歩きにくくなる場合もあります。
他にも、尿路結石や尿路感染症などの泌尿器系の疾患や、子宮内膜症など婦人科系の疾患、男性に見られる前立腺炎など、様々な疾患が原因となります。お腹の痛みの一つだからといって、安易に放置しないようにしましょう。
左下腹部痛
左下腹部痛も様々な疾患が原因で生じます。
具体的には、以下のような疾患です。
- 憩室炎
- 虚血性腸炎
- 潰瘍性大腸炎
- 大腸がん
- 急性腸炎
- 子宮付属器炎
- 子宮内膜症
- 尿路結石
右下腹部痛と似たような疾患があり、消化器以外の疾患が隠れている場合があります。便秘や動脈解離などでも見られる症状のため、症状だけで疾患の判断や程度を判別するのは難しいです。
臍部
臍部の痛みは、おへそがあるお腹の中心あたりにあらわれる痛みです。
一過性のストレスや食べ過ぎによる急性胃炎や急性腸炎で生じることが多い症状ですが、一方で腹部大動脈瘤など緊急性の高い疾患が原因の場合があるため注意が必要です。
臍部の痛みは、以下のような疾患が原因で生じることがあります。
- 虫垂炎
- 急性胃炎
- 急性腸炎
- 腹部大動脈瘤
- 胃潰瘍
- 胃炎
- 腸閉塞
- クローン病
- 急性・慢性膵炎
- 膵臓がん
こちらも様々な疾患が隠れています。早期発見・治療で症状を軽減し消失させることができるものが多いので、早めの受診を心がけましょう。
腹部全体
腹部全体に痛みを感じる場合は、痛みの程度が疾患を見極めるポイントになることがあります。
痛みが強くない場合は、過敏性腸症候群や腸管癒着症(腸が炎症を起こして周りの臓器とくっついてしまう疾患)が考えられます。
痛みが激しく強い場合は、緊急対応が必要な場合が多いです。例えば、腸が詰まってしまう腸閉塞や胃潰瘍などが進行した際にも見られる消化管穿孔などがあります。これらは他の臓器への血流を阻害してしまう可能性があるからです。他にも、腹部大動脈瘤破裂や、腸間膜動脈血栓症や子宮外妊娠破裂などがあります。
腹部全体の痛みは以下のような疾患が原因で生じることがあります。
- 過敏性腸症候群
- 腸管癒着症
- 腸閉塞
- 胃・十二指腸潰瘍穿孔
- 大腸穿孔
- 腸間膜動脈血栓症
- 子宮外妊娠破裂
- 腹部大動脈瘤破裂
緊急で手術が必要な疾患が多いです。急にお腹全体に激しい痛みが出現した場合には、迷わず受診しましょう。
吐き気
脂っこいものを食べ過ぎたり、ストレスによって胃酸の分泌量のバランスが崩れたりすると、胃酸が過剰に分泌されることがあります。それによって一過性に吐き気が起こることがあります。
しかし、吐き気は、食道・胃・十二指腸といった上部消化管だけでなく、大腸など下部消化管の機能低下や疾患が原因で生じる場合があります。
吐き気は以下のような疾患が原因で生じることがあります。
- 逆流性食道炎
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 機能性ディスペプシア
- 便秘症
- 腸閉塞
- 大腸がん
- 片頭痛
- 脳腫瘍
- もやもや病
- くも膜下出血
- 糖尿病ケトアシドーシス
吐き気は、消化器疾患だけでなく、脳疾患や感染症などによって起こる可能性があります。吐き気が生じる疾患は上記に挙げたもの以外にも多岐にわたるため、症状が続いたり、気になったりする場合は、早めに医師へ相談しましょう。
胃もたれ
胃もたれは、食べ過ぎ・飲み過ぎで消化が追いつかずに、生じることが多く、加齢や妊娠でもひきおこされます。
しかし、胃もたれも疾患が原因で生じていることがあり、以下のようなものが隠れているかもしれません。
- 逆流性食道炎
- 食道アカラシア
- 胃潰瘍
- 機能性ディスペプシア
- 胃がん
- 十二指腸潰瘍
- 慢性胃炎(症候性胃炎)
- ヘリコバクター・ピロリ感染
胃もたれの多くは、胃の疾患によって引き起こされます。
ヘリコバクター・ピロリ感染は放置しておくと胃がんにつながります。除菌によってがんを防ぐことができるため、気になる場合は感染していないか検査をしてみても良いですね。
膨満感
膨満感とは、胃やお腹が張っている、げっぶが出そうで出なくて苦しいといった症状です。
膨満感は以下のような疾患で生じている場合があります。
- 胃炎
- 胃潰瘍
- 機能性ディスペプシア
- 腸閉塞
- 腹水貯留
- 呑気症
- 便秘
- 大腸がん
- 過敏性腸症候群
呑気症とは、食事の際に、空気を飲み込んでしまう量が増えてしまう症状のことです。便秘などと同様に、食生活の見直しやストレスの解消が大切です。
他にも腸閉塞や大腸がんなど治療が必要な疾患もあるため、強い膨満感があらわれた場合やなかなか解消しない膨満感がある場合には速やかに受診しましょう。
下痢
下痢は、便の中の水分が多くなった状態のことを指します。水分が増えて、便の量が増えたため、排泄の回数も多くなります。下痢は、普段水分を吸収してくれている大腸の機能低下などによって起こります。
下痢には、次のような疾患が原因が考えられます。
- 感染性腸炎
- 乳糖不耐症
- 慢性膵炎
- 過敏性腸症候群
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 大腸がん
- 腎不全
- ウイルス性肝炎
食中毒やノロウイルスなどへの感染が原因で下痢が起こることがあります。これは、ウイルスや細菌を体内から排出するための症状です。そのため、下痢止めを服用してしまうと、菌が排出されず、症状が悪化してしまう場合があります。
下痢は、想像以上に水分が体から抜けてしまいます。そのため、少量ずつ水分を摂取して脱水の予防も大切です。
緊張などで下痢になることもありますが、病気が隠れていたり、脱水が引き起こされたりといった危険性もあります。なかなか解消しない場合は、早めに受診しましょう。
便秘
便秘とは、便を十分に排出できない状態です。便秘の定義はその人の排便習慣によりますが、一般的に3日以上排便がない・便が硬い・少量しか出ないなどのことを指します。
便秘は、食習慣や体質だけでなく、大腸に疾患が隠れていることがあります。
- 大腸がん
- クローン病
- 虚血性腸炎
- 膠原病
- 便秘型過敏性腸症候群
- 薬剤性便秘症
便秘は薬の副作用で生じることもあります。また、便秘が原因で痔になってしまい、慢性的な痛みにつながってしまう可能性もあります。自分はそんな体質だからと諦めず、便秘が続く場合には消化器内科を受診してみましょう。
腹部の違和感からくる重大な疾患
腹部の違和感は、ストレスや食べ過ぎなどが原因であることも多く、身近な症状です。しかし、これまでお伝えしたように、腹部の違和感の原因は、様々な臓器や疾患が考えられます。
緊急性の高いものも少なくありませんが、それは自分自身の症状だけで判断することはできません。よくある症状だからといって放置すると、命に関わる可能性もあります。どの疾患も早期発見・治療が大切で、手術などが必要になる前に介入できれば体への負担も少ないです。
強い痛みや違和感を急に感じたり、弱くても長期間症状が消失しない場合は、医療機関へ相談するようにしましょう。
まとめ
腹部の違和感の原因は多く、自己判断することは難しいです。疾患が隠れている場合は、進行してしまう前に検査をして、発見・治療することが何よりも大切です。胃カメラ検査や大腸カメラ検査を受けることで多くの消化器の疾患を見つけることができます。気になる症状がある場合は、検査を受けてみましょう。
柏駅前・胃と大腸肛門の内視鏡クリニックでは、胃カメラ検査や大腸カメラ検査に関する痛みや苦しさを、最大限取り除けるようスタッフ一同対応させていただきます。鎮痛剤を使用して、リラックスした状態で検査を受けていただくことも可能です。
土日も検査に対応しているため、お腹の違和感で仕事を休むことが難しいとお考えの場合でも、ご相談いただけます。
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